本当に原発は「絶対悪」なのか? ヨーロッパで今議論されていること COURRIER 20230419
「脱原発」したドイツ
4月15日、ドイツでは唯一稼働していた3基の原子力発電所の電源が停止され、脱原発が完了した。しかし、独誌「シュピーゲル」によると、エネルギー危機の最中に原発を廃止するというドイツの決断は、世界の流れに反している。
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英調査機関「ワールド・ニュークリアー・アソシエーション」によると、世界で現在約60基の原子炉が開発されており、原子力発電は増加傾向にある。新規建設を多く進めるのは、中国やインド、韓国などのアジアの国や、ロシアなどだ。
原発を「推進」するヨーロッパの国々
ヨーロッパにも原発を積極的に推進する国は多い。シュピーゲルによると、ドイツの原発廃止とほぼ同時期の4月16日、フィンランドでは、南西部のオルキルオト原発で新たに3号機の原子炉の稼働が開始された。運営会社のTVOによると、新原子炉は比較的安全性が高い第3世代の欧州加圧水型原子炉(EPR)だ。出力160万キロワットとヨーロッパ最大となる。1基だけで国内の全電力の14%をカバーし、同発電所の旧型の2つの原子炉と合わせれば約30%の電力を発電するという。
2021年の年間発電量の68%が原子力発電というフランスも、新たな原子炉を建設している。仏メディア「ユーロニュース」によると、エマニュエル・マクロン大統領は2022年、さらに小型原子炉を2050年までに6基建設すると発表した。
また、スウェーデンは、かつて2010年までの原発の廃止を決議したものの、すでに方向を転換させていると、独メディア「ターゲスシャウ」は報じる。現在スウェーデンの電力の30%が原子力から発電されているが、現政権はこれを2030年までに50%に増加させようとしている。
ドイツの隣国ポーランドも、エネルギー危機を受け、もともと1基しか稼働していなかった原発を一気に増設すると決めた。米ウェスチングハウスの原子炉3基の建設を2026年に始め、2040年代半ばまでに合計6基の原子炉を設置する予定だ。
原子力発電の「利点」
イギリスも2050年までに、原子力発電による発電割合を現在の15%から25%にまで引き上げようとしていると、米メディア「ブルームバーグ」は報じる。すでに南西部のヒンクリーポイントでは2基の建設が進められている。 他にもハンガリーやスロヴァキアが新たに原子炉を建設しており、エストニアやチェコ、オランダなども新たな原発の建設を検討している。
これほど原発が推進されるのは、化石燃料に依存せずに電力をより自立的に安定して作れるからだ。それに加え、発電時に二酸化炭素を排出しないという点が重視されている。
ユーロニュースによると、2023年2月、フランスは、EUの他10ヵ国とともに「原子力発電を支持するヨーロッパにおける同盟」を発足させた。本同盟は、原子力発電に関する研究や技術革新、統一された安全ルールの促進を目的とする。フランスは、この繋がりからEU内でより多くの原子炉建設を推進していこうとしている。
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