平衡正義與和平難題 正義と平和の両立 難題 国際法学者・古谷修一さん@東京新聞/ Taimocracy 20230221
ロシアは開戦当初、もっと早く戦争を終わらせることができると考えていたと思われます。ウクライナ政権をすげ替えて、自国べったりの政権ができあがればすぐに軍を引き揚げればいいという目算がはずれたのは、やはり欧州に人権意識が根付いていたのが要因の一つでしょう。【俄羅斯在戰爭開始時可能認為自己能夠早早結束戰爭。他們認為只要推翻烏克蘭政府並建立一個親俄政權,就可以立即撤回軍隊,但俄羅斯的策略誤算了歐洲的人權意識根深蒂固這點。
例えば、ポーランドはとても寛大に避難民を受け入れていますし、軍事支援にも積極的です。シリアの難民受け入れに消極的だったのとは対照的ですが、ブチャにおける民間人虐殺のようなナチス・ドイツ的行為に対するポーランド国民の反感と同胞意識が政治指導者を動かしているように思われます。【例如,波蘭非常慷慨地接受難民,並且積極提供軍事支援。這與他們對收容敘利亞難民的消極態度形成了鮮明對比。波蘭國民對於像布查大屠殺這樣的納粹德國行為感到極度反感,這種反感和團結意識推動了政治領袖的行動。】
国際刑事裁判所【ICC】は、ウクライナ人被害者やロシア人の捕虜から虐殺行為に対する聴き取りを続けており、早晩、起訴される人が出てくるはずです。【國際刑事法院正在繼續聽取烏克蘭受害者和俄羅斯戰俘的屠殺行為聽證會,所以很快就會有人被起訴。】
ただし、プーチン大統領を戦争犯罪に問えるかどうかは、極めて複雑な政治状況にあるといえます。大統領であるとか、総理大臣であるとかという理由で責任を免れることはできませんので、訴追から免れるために戦いを続けるという選択肢を取る可能性もあります。【然而,俄羅斯總統普丁是否能被追究戰爭罪行是一個非常複雜的政治問題。無論是擔任總統或是總理等職務,並不能因此逃避責任,因此普丁有可能會選擇繼續奮戰以避免被起訴。】
平和と正義はよく似た概念ですが、正義を追求すればするほど、平和が遠のくという矛盾した状況になりかねません。【平和與正義是相似的概念,但是隨著追求正義的程度加深,有可能出現追求平和變得更加遙遠的矛盾狀況。】
この矛盾は、ゼレンスキー大統領にとっても難問です。【這個矛盾是對烏克蘭總統澤倫斯基來說,也是一個難題。】
交流サイト【SNS】などで民間人の被害の実情が拡散されて、「国家の戦争」から「個人の戦争」へと変化する中で、国の利益だけを考えて妥協することは国民感情が許さないでしょう。【在社交網媒體上,平民受害狀況擴散,使得「國家的戰爭」轉變為「個人的戰爭」。在這種情況下,只考慮國家利益而做出妥協是不被國民情感所容許的。】
とりあえず停戦だけして、正式な講和はずっと先に延ばすという選択もありえるでしょうが、だれが被害者への賠償を行うのかなど、講和に向けた条件づくりは容易ではありません。【雖然可以暫時停戰,但也有可能將正式和平延宕到更遠的未來。然而,建立和平條件並不容易,例如誰來賠償受害者等問題都需要解決。】
加害者を処罰し、被害者を救済する、その両方が冷戦崩壊後の国際社会にとって重要なファクターであり、そのいずれも実現できないということになれば、冷戦後の三十年もの間、国際社会は何をしていたのかと問われかねません。【懲罰加害者以及救濟受害者,這兩方面都是冷戰結束後國際社會的重要因素。如果這兩者都無法實現,那麼在冷戰結束後的三十年間,國際社會究竟做了些什麼,這個問題就難以回答了。】
この戦争は十九世紀的な古い発想が至るところに見える一方で、極めて現代的な課題を背負って進められている戦争でもあります。【這場戰爭既展現了19世紀老派思維,同時也承擔了極其現代的課題。】
正義を実現しながら戦争を終わらせるというきわめて困難な課題を解決する知恵と努力が求められています。【解決同時實現正義和結束戰爭這一極其困難的任務需要智慧和努力。【聞き手・中山敬三】【採訪者:中山敬三】
<ふるや・しゅういち> 1958年、神奈川県生まれ。早稲田大大学院法務研究科長。専門は、国際人権法、国際人道法、国際刑事法。昨年12月まで、国連自由権規約委員会副委員長を務めた。
<Furuya Shuichi> 1958 年出生於神奈川縣。早稻田大學法學院院長。專攻國際人權法、國際人道主義法和國際刑法。直到去年12月,他擔任聯合國人權委員會副主席。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/232366
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