現地時間10月22日午前10時40分(日本時間午前11時40分)から約90分間、オーストラリアのパースを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、アンソニー・アルバニージー・オーストラリア連邦首相(The Hon. Anthony Albanese, MP, Prime Minister of the Commonwealth of
Australia)と日豪首脳会談を行いました。なお、首脳会談に先立ち、約35分間、両首脳だけで会談が行われました。
- 冒頭、アルバニージー首相から、岸田総理の豪州訪問、特に西オーストラリア州への訪問を歓迎するとともに、日本と豪州の一層の関係強化に向けて協力していきたい旨述べました。これに対し、岸田総理から、温かい歓迎に感謝する旨、戦略的利益と基本的価値を共有する日豪両国は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて緊密に連携してきており、日豪は同志国連携の中核となるまで発展した旨述べました。その上で、両首脳は、安保・防衛協力、「自由で開かれたインド太平洋」、資源・エネルギー分野を中心に協力が深まっていることに鑑み、日豪の「特別な戦略的パートナー」が新たな次元に入ったとの認識で一致しました。
- 両首脳は、厳しさを増す安全保障環境の下、日豪両国は安全保障・防衛協力の枠組みを着実に整備し、運用面も含めた安全保障協力を推進しており、このような基盤の上に立ち、本日発出する新たな日豪安全保障協力共同宣言は、日豪安全保障・防衛協力の今後10年の方向性を示す羅針盤であること、これに従い、自衛隊と豪州国防軍との間の協力も含め、安全保障・防衛協力を一層強化していくことで一致しました。
- 両首脳は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、日豪両国で、日米豪印、日米豪、NATOアジア太平洋パートナー(AP4)などの重層的な取組を主導していくことで一致し、岸田総理大臣から、来年豪州が主催する日米豪印首脳会談に向けて協力を惜しまない旨述べました。両首脳は、東シナ海・南シナ海、台湾海峡の平和と安定、更に、太平洋島嶼国情勢についても議論をしました。こうした点を含めた共通認識を記した共同声明を確認しました。
- ウクライナ情勢等により、資源・エネルギー安全保障の重要性が高まる中、アルバニージー首相から、豪州は、信頼できる貿易パートナーであり、安全な投資先であり続けるとの豪州政府の立場について説明があり、両首脳は資源エネルギー分野での日豪協力をさらに強化していくことで一致しました。また、岸田総理は、グリーントランスフォーメーション(GX)の一翼を担う水素・アンモニア分野における数多くの日豪プロジェクトの進展を歓迎するとともに、気候変動に関するパリ協定の実施、周辺国への適応・緩和支援に係る協力及び重要鉱物に関するパートナーシップ等を通じて、更に協力を進展させることで一致しました。また、岸田総理から、「アジア・ゼロエミッション共同体構想」について言及し、アルバニージー首相から支持を得ました。
- 両首脳は、北朝鮮が極めて高い頻度で弾道ミサイルを発射していることは、地域及び国際社会の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であるとの認識で一致し、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
- 岸田総理から、ロシアがウクライナにおける核兵器の使用を示唆していることは極めて憂慮すべき事態であり、広島と長崎に原爆が投下されて77年間、核兵器が使用されていない歴史をないがしろにすることがあってはならない点を強調しました。その上で、両首脳は、ロシアによる核兵器使用の威嚇が、国際社会の平和と安全に対する深刻かつ容認できない脅威であるとしてこれを非難し、いかなる核兵器の使用も明白な国際的な非難及び断固とした対応を受けることを強調しました。
- さらに、核軍縮・不拡散分野についても議論を行い、岸田総理は、先月開催された包括的核実験禁止条約(CTBT)フレンズ・ハイレベル会合への豪州の協力に謝意を表明しました。
- 両首脳は、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)について、戦略的な観点も踏まえて率直な議論を行い、緊密に連携していくことを確認しました。また、両首脳は、経済的威圧への対応においても引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
- 首脳会談の後、両首脳により共同声明(和文仮訳(PDF)
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