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2021-07-07

ハワイにある「個人所有」の鎖国中の島 Niihau island

 

ハワイ「100年以上鎖国中」の個人所有の島の正体    東洋経済 20210706

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つの州を数秒でまわれる、アメリカでも唯一のスポットがある──。

新著『おもしろ雑学世界地図のすごい読み方』では、気候や風土の珍現象から、知られざる仰天国家の素顔、国境や国名をめぐる複雑な事情、一度は訪問したいおもしろスポットまで、世界各地の「へぇ~」な話が紹介されています。

ハワイにある「個人所有」の鎖国中の島

日本の人気海外旅行先ランキングで必ず上位に入るのがハワイである。ハワイ州政府観光局の調査によると、2018年のハワイへの訪問者は約980万人。国別で最も多いのはアメリカ本土からの訪問者(約640万人)だが、日本からの訪問者(約160万人)はアメリカの次に多く、アメリカ人以外では日本人の観光客数が群を抜く。日本人はハワイ大好き国民なのだ。

そんなハワイに「禁断の島」「秘密の島」と呼ばれる島がある。ハワイ島・マウイ島・オアフ島・カウアイ島など大小約130の島からなるハワイ諸島のうち、西端に位置するニイハウ島だ。

ニイハウ島は面積約180平方キロの小さな島。ハワイを隅から隅まで楽しもうと島を訪れようとしても、自由に足を踏み入れることはできない。その理由は、マウイ島やオアフ島などとは違って、個人の所有の島だからである

ニイハウ島の所有者はロビンソン家1864年にスコットランド系移民のエリザベス・シンクレア夫人が当時のハワイ国王カメハメハ5世と交渉し、1万ドルとピアノ1台を支払い、島を購入した。夫人亡き後、彼女の息子に受け継がれ、ロビンソン家の所有となった。

当初は「関係者以外出入り禁止」ではなかったようだが、1915年頃からロビンソン家の人間以外自由に入れなくなり、もともとこの島に住んでいた先住民たちも出てこなくなった。まさに鎖国状態である。

ロビンソン家が“鎖国”した理由については、島に水が十分なかったためとか、ピューリタンのような清らかな信仰生活を守るためなどといわれているが、はっきりしたことはわからない。

 

現在、ニイハウ島には百数十人が暮らしている。その多くは先住民で、島に電気がなく外部の情報がほとんど入ってこないこともあり、古くから受け継がれてきた伝統文化を守りながら生活している。

たとえば言葉。ハワイのほかの島では英語が日常語として使われているが、ニイハウ島では伝統的なハワイ語が使われているのだ

しかし、部外者であってもニイハウ島訪問が不可能なわけではない。ヘリコプターによる公認ツアーに参加すればいいのだ

公認ツアーは隣のカウアイ島からヘリコプターに乗ってニイハウ島の上空を旋回したあと、決められたビーチに上陸し、海水浴やシュノーケリングを楽しむことができる。ただし、島の住民に話しかけたり、撮影したりすることはできない。ニイハウ島が“鎖国”してからすでに100年以上が過ぎた。はたして、今後もこの状態が続くのだろうか。

フィンランド領なのに公用語はスウェーデン語の島

北欧の地図でスウェーデンの首都ストックホルムの北東を見てほしい。フィンランドとの国境付近に、オーランド諸島という島々がある。面積は日本の長野県と同じくらいで、約3万人が住んでいる。

この諸島にさらに注目すると、オーランド諸島という表記だけでなく「アハベナンマー諸島」と記されていることに気づくはず。いったいなぜ、1つの諸島に異なる名称がついているのか?

実は、オーランド諸島はスウェーデン名で、アハベナンマー諸島はフィンランド名帰属はフィンランドだが、どういうわけかスウェーデン語の名称があり、そちらのほうが一般的になっているという不思議な場所なのである。 歴史をさかのぼると、オーランド諸島はもともとスウェーデン人が開拓した島だった。ところが、バルト海の中央に位置することに目をつけたロシアが1809年にフィンランドとともに侵攻して支配下に置いた。ロシアはオーランド諸島を軍事的な要衝として位置づけたのだ。

その後、1917年にフィンランドがロシアから独立した際、オーランド諸島の住民は祖国であるスウェーデンへの帰属を望んだ。当然といえば当然だ。しかし、その思いは受け入れられず、スウェーデン領ではなくフィンランド領とされてしまったのである。

大国の思惑に翻弄されたオーランド諸島。現在も住人はほとんどスウェーデン系だが、フィンランド領であることに変わりはない。

ただし、1921年の国際連盟の裁定で自治権が認められており、フィンランド語とスウェーデン語が公用語とされているフィンランドにあって、スウェーデン語のみを公用語としている

しかも、オーランド諸島の住民権を得るためには、5年間の居住に加え、十分なスウェーデン語能力が要求される

住民投票では「現状維持」が過半数

こうした状況ゆえ、フィンランド政府はオーランド諸島のスウェーデンへの復帰を認めているという。しかし、近年の住民投票では現状維持を望む人が半数を超え、オーランド諸島はフィンランドにとどまり続けている。

実は、最近の住民たちはフィンランド政府によって与えられている自治権に十分満足している。長らくフィンランド市民として暮らしているうちに、かつての住民たちのようにスウェーデンに戻りたいと思わなくなってきたのである

もちろん、オーランド諸島の住民の祖国を想う気持ちは失われていない。しかし、現状に大きな不満はなく居心地よく感じている以上、フィンランドからスウェーデンへの復帰はしばらくないと考えられる。

 

日本の県境は複雑な曲線が多い。同じように、ヨーロッパの国境も不規則に曲がっている。こうした境界線は、山や川など自然の地形によって決められたり、領土争いによって決められたりしたものだ。

一方、アメリカ合衆国を構成する50州の境界線(州境)はキレイな直線が多い。建国当初の拠点であった東部地域には曲がった境界線も多いが、のちに開拓されていった中部や西部の境界線のほとんどが直線になっている。 その50州の境界線のうち、西部にあるアリゾナ州、ニューメキシコ州、コロラド州、ユタ州の4つの州が隣接する場所に、驚くべきスポットが存在する。そこを訪れると、一瞬にして4つの州をまわることができるのだ。

そのスポットの名はフォー・コーナーズ。現地には「フォー・コーナーズ」と記されたモニュメントが立っており、観光スポットとしても知られている。近くにある世界遺産のグランドキャニオンから足を延ばす人も少なくない。

見渡す限りの大平原

地図を見るとわかるように、アメリカ本土の境界線は少しずつ互い違いにズレており、4つの州が交わる場所は北緯37度、西経1093分のフォー・コーナーズただ1カ所しかない。

そこはコロラド高原の中央付近、砂漠地帯の真ん中。遠くにはゴツゴツした岩山が見え、火星を訪れているような錯覚に陥る。現地を訪れると、見渡すかぎりの大平原に圧倒されるが、何もない場所だからこそ、4つの州が交差する境界線を引くことができたともいえる。

また、このあたりはネイティブ・アメリカンのナバホ族が暮らす場所でもあり、先に述べたフォー・コーナーズのモニュメントはナバホ族の自治領が管理している。 グランドキャニオンを観光した際にはフォー・コーナーズにも訪れ、4つの州を瞬時にまわってみてほしい。


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