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2023-03-31

戰爭性質改變了

戰爭性質改變了 危うく変わる戦争の質    現代史家・大木毅さん@東京新聞 /Taimocracy 20230221

 ロシアのウクライナ侵攻は、軍事的には奇妙なことばかりです。【俄羅斯對烏克蘭的侵略在軍事上看來是很奇怪的。

 ウクライナの春は雪解けで大地が泥沼のようになり、キャタピラ装備の車両でさえ動きが取れません。そんな泥濘(でいねい)期が間近に迫る二月下旬に侵攻を始めたというのは不可解です。軍の進め方も重点がなく、すべての目標を同時に押さえにいくような合理性を欠く作戦でした。【在烏克蘭的春天,大地融雪後變成泥濘狀態,甚至履帶裝備的車輛也無法移動。在接近這樣泥濘期的二月底開始入侵是不可理解的。進攻的方式也沒有特定的重點,抓住所有目標完全欠缺合理性。】

 なぜ、こんなおかしなことをしたのか。恐らくプーチン大統領以下、本格的な「戦争」を予期していなかったのだと思います。「ハンガリー動乱」や「プラハの春」のように圧倒的な軍事力で侵攻すれば、ゼレンスキー政権はすぐに手を上げ、ほとんど流血なしにウクライナ全土を制圧できると考えていたのではないでしょうか。【為什麼會這樣奇怪地行動?我想,普丁總統以下可能沒有預期到真正的「戰爭」。他們認為,只要用壓倒性的軍事力量入侵,像「匈牙利動亂」或「布拉格之春」一樣,澤倫斯基政府就會很快投降,幾乎不會流血就可以控制整個烏克蘭。

 「戦争」ではなく「治安行動」で済むとプーチン氏らが考えていたとすれば、侵攻当初の軍事的合理性を欠いた行動の数々は説明できます。プーチン政権はいまだにこの侵略を「戦争」ではなく「特別軍事作戦」と呼称していますが、それは彼らが目論(もくろ)んでいたことを如実に表しているとも言えます。【如果普丁和他的團隊認為不需要進行真正的「戰爭」,則可以解釋當初的軍事行動缺乏合理性。普丁政權仍然稱這次入侵為「特別軍事行動」,表明這是他們實際上原本的預期。

 一方、ウクライナには非常に驚かされました。あるウクライナ軍関係者は「戦争は二月二十四日に始まったのではなく、(ロシアがクリミアを軍事制圧した)二〇一四年からずっと続いていたのだ」と言っていました。欧米からの軍事支援が功を奏し、兵器の供与に注目が集まっていますが、ウクライナ軍の戦略・作戦・戦術を分析すると、この間、米軍の用兵思想を実によく学んできたことが分かります。頭脳を作り替えたと言ってよいほどです。【另一方面,烏克蘭非常驚訝。一名烏克蘭軍事人員表示:「戰爭不是在二月二十四日開始,而是2014年(俄羅斯軍事佔領克里米亞)一直持續到現在。」歐美國家提供的軍事援助已經產生成果,武器供應成為關注的焦點,但分析烏克蘭軍隊的戰略、戰術和行動,可以發現他們在這期間學習了美軍的作戰思想,可以說他們的頭腦已經被重塑。】

 いま懸念しているのは、この戦争が政治的、軍事的合理性のある目標を目指す「通常戦争」ではなくなること。戦争の質の変化です。【目前所擔憂的是這場戰爭不再是追求政治和軍事上合理目標的「常規戰爭」,而是戰爭本身質變的問題

 第二次大戦の独ソ戦でナチス・ドイツは短期戦で決着できると楽観していましたが、ソ連の思わぬ抵抗で長期化し、それに伴い戦争継続のため占領地から人材や資源を奪う「収奪戦争」や、イデオロギーに基づき敵国国民の抹殺を狙う「絶滅戦争」の色彩が濃くなっていきました。【在第二次世界大戰的德蘇戰爭中,納粹德國一開始樂觀地認為可以在短期內取得勝利,但由於蘇聯的意外抵抗,戰爭變得持久,隨之而來的是為了繼續戰爭而從佔領區掠奪人力和資源的「掠奪戰爭」以及以意識形態為基礎,旨在消滅敵國國民的「滅絕戰爭」色彩加深了。】

 ウクライナの「非ナチ化」を大義に掲げ、占領地で虐殺を重ね、ウクライナの子どもらをロシアに連れ去るプーチン政権の動きが、かつてのナチスに重なって見えます。独ソ戦がそうだったように、イデオロギーに基づく戦争指導は、妥協による和平の可能性を排除するものなのです。【普丁政權以「去納粹化」為正義理由,重複在佔領區的大屠殺,並且將烏克蘭的孩子們帶到俄羅斯,這些行動讓人聯想到當年的納粹。正如德蘇戰爭所示,基於意識形態的戰爭指導排除了通過妥協實現和平的可能性】 (聞き手・星浩)

<おおき・たけし> 1961年、東京都生まれ。専門はドイツ現代史、国際政治学。防衛省防衛研究所講師などを経て著述業。著書に『独ソ戦』(岩波新書)、『指揮官たちの第二次大戦』(新潮選書)など。

 


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