習主席も「雷鋒の墓」訪問 国難のたびにわき起こる運動が再び…產經 20181109

【Comment】

Beijing is now agitating Lei Feng, the “people’s hero” before the Cultural Revolution, who died in 1962. 

Xi’s visit at Qiqihar, a Manchurian city that started up the first five year economic plan, on September 26, raised the sign of upcoming hard life.  Xi visited China First Heavy Industries (CFHI), which has the ability to produce nuclear reactor for civilian power plant and for navy vessels.  There is a large statute of Mao Tse-dong, which is rare in Chinese National Corporations now.  Xi declared the “self-reliance” road map in there.

Xi also visited at Lei Feng Memorial House on September 28, at the same trip. 

One month later, Beijing is digging out the symbol of the Culture Revolution.

Xi will never compromise; he is now doing everything he could to keep in power, including general mobilization.  That is what President Trump needs to understand.

習主席も「雷鋒の墓」訪問　国難のたびにわき起こる運動が再び…產經 20181109

　中国の習近平国家主席（６５）が敬愛してやまない人民解放軍兵士がいる。その名を雷鋒（らい・ほう）という。生きていたら７７歳になるが、１９６２年に２１歳の若さで殉職した。最近、習氏自ら遼寧省撫順（ぶじゅん）市にある雷鋒の墓を訪れている。その背景を現地で追った。

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　雷鋒の出身地は湖南省で建国の父、毛沢東と同じだ。撫順は、雷鋒が事故死した終えんの地である。

　雷鋒の墓に隣接して記念館が建つ。正面に掲げられた「雷鋒紀念館」の文字は江沢民元国家主席が揮毫（きごう）したものだ。

　館内に入ると、最初の案内板にこうあった。

　「雷鋒は（共産）党を熱愛し、祖国を熱愛し、社会主義の崇高な理想を熱愛した」

　雷鋒は、日中戦争が続いていた１９４０年、湖南省の貧農の家に生まれた。７歳までに祖父、両親、２人の兄弟を病気や飢え、自殺で失い、孤児となった。

　４９年に共産中国が誕生すると、故郷の村にも人民政府ができた。雷鋒は党の庇護（ひご）のもと、小学校を卒業。その後、役人になったり、農場・工場でトラクター、ブルドーザーの運転手として働いたりした。

　１８歳だった５９年秋、転機が訪れる。「昨夜、私は毛（沢東）主席の夢を見た。毛主席はほほえんで言った。『しっかり勉強して党と人民に永遠に忠誠を尽くしなさい』。私は（夢の中で）感激のあまり熱い涙を流した。朝起きると、私は決心した。党と人民のために自分の全てをささげることを」（雷鋒の日記より）

　翌６０年１月、雷鋒は人民解放軍に入り、後に輸送部隊の運転手になった。念願の共産党への入党が認められたのは同年１１月のことだ。

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　記念館では、雷鋒の人民への奉仕活動が紹介されている。

　（１）河南省のある小学校が天災で財政難に陥っていると知るや、「人民の困難はすなわち私の困難だ」として、こつこつとためていたお金を全て寄付した。

　（２）大雨の中、子供の手を引き、幼児を胸に抱え、カバンを肩から提げて、ずぶぬれになって歩く婦人を見かけた。「人民を助けることが私の最大の楽しみであり幸せだ」として、雨具を婦人に与え、自ら幼児を抱えて荷物を持ち、約２時間かけて家まで送った－。

　自身も不幸な生い立ちながら党に救われ、奉仕活動に尽力する雷鋒について、当局は積極的に宣伝した。所属先の瀋陽軍区（当時）機関紙「前進報」は１９６０年１２月１日付で、「党に従い、青春を祖国にささげる」という見出しの雷鋒の特集記事を掲載している。

　「党の声は人民の声だ。党の方針、政策は真理の中の真理だ」など、彼の愛党、愛国ぶりについて、これまでの日記の記述を抜粋して紹介したものだった。

　雷鋒は６２年８月１５日、撫順市内で事故のため殉職。１７日に葬儀が行われ、「７０万人に満たない撫順市民のうち１０万人が葬列を見送った」（同記念館）という。

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　雷鋒の死去翌年の１９６３年、毛沢東によって「雷鋒同志に学べ」運動が全国で始まった。当時の中国は毛が主導した大躍進政策の失敗などで経済難に陥り、毛にとって威信回復が急務だった。撫順の雷鋒記念館ができたのが６５年である。

　しかし毛の死後、●（＝登におおざと）小平の指導で７８年に改革開放政策がスタートすると、雷鋒は脇に追いやられていく。再び脚光を浴び始めたのは８９年、やはり党の危機に際してだった。

　同年１１月、北京で「雷鋒に学べ－回顧と展望－理論シンポジウム」が解放軍の機関によって開催された。当時の中国は、６月に起きた天安門事件によって国際社会から孤立していた。

　９０年３月には、天安門広場で「雷鋒に学べ」集会を挙行、事件から１年もたっていないあの広場に約１万人の青少年が集まった。

　江沢民総書記（当時）が「雷鋒紀念館」と揮毫したのは、その年の秋のことだ。

　ただ、９２年の●（＝登におおざと）小平による南巡講話後、改革開放が加速すると、雷鋒は再び表舞台から姿を消した。

　そして今年９月２８日、撫順を視察した習氏は、雷鋒の墓と雷鋒記念館を訪れてこう訓話したのである。

　「雷鋒は時代の模範であり、雷鋒精神は永遠だ」

　米国との貿易戦争によって習政権もまた厳しい状況下に置かれていた。

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　雷鋒記念館の展示室を出ると、来館者の感想を記したメモが何枚も掲示板に張り付けられていた。子供の文字が多い。学校教育の一環で参観したのだろう。

　「習おじいさん（習主席）がお忙しいのに学校にお便りをくれました。雷鋒おじさんの滅私奉公の精神を学びなさいと書いてありました。私も勉強して、必ず困った人を助けます」。今年、撫順市内の小学生が書いたものだ。

　遼寧省瀋陽市にある瀋陽工業大の女子大生（２０）はいう。「学校の指示で来ました。リポートを書かないといけないのです…」

　館内の売店には、子供から成人向けまでさまざまな雷鋒の本が並んでいた。

　記念館の職員によると、「９月下旬に習主席が訪問して以降、来館者が増えている」という。

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　実は習氏は２０１４年にも、全国人民代表大会（国会に相当）の軍の分科会に出席した際、「雷鋒精神の種子を全国の大地にまかなければならない」と訓話したことがある。

　習氏は１９６９～７５年、北京から陝西省の農村に下方され、奉仕活動に従事した経験を持つ。まさに「雷鋒に学べ」世代なのだ。

　最近、巨額の脱税で摘発された中国の女優、范冰冰（ファン・ビンビン）さん（３７）を例に挙げ、雷鋒の時代を懐かしむ声もある。

　「あの女優こそ、この記念館に来て、滅私奉公の精神を学習しなければならない。昔はみんな等しく貧しかった。今は拝金主義が横行している」（６０代男性）

　背景には、拡大する一方の所得格差への不満もあるようだ。

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　中ソ対立が激化していた１９６１年４月、雷鋒は日記にこう書いている。

　「現在、わが国は困難な時期にある。われわれは発奮して強くなり、自力更生を成し遂げ、この困難を克服しなければならない」

　米国との対立に苦しむ中国の現状と重なる。習氏としては、党への絶対的な忠誠、滅私奉公、自力更生…それらを人民に求めて、経済難や社会不満が政権批判へ転化するのを断固阻止しなければならない。

　雷鋒の記念館は、撫順を含めて全国に８カ所あるが、関係者によると、習氏の訪問後、各館の責任者が撫順の雷鋒記念館に集まり、特別会議が行われたようだ。

　雷鋒記念館の掲示板に、ある小学生が参観の感想を記している。

　「私の決心をここに書き留めます。毎日しっかり勉強をして、永遠に習おじいさんの教えに従います！」

　米中貿易戦争の長期化も取り沙汰される中、「雷鋒に学べ」運動が各地で過熱するのは間違いない。（中国総局長）